Day_152 : (In Japanese) 災害による報告死者数

かなり前に書いたメールマガジンのコラムですが、内容は、色あせていないので、復習を兼ねて、これから数回にわたり掲載致します。(同様に英語版も順番に掲載していきます。)

2010年2月4日発行
再掲NIED-DILメールマガジン:1回】災害による報告死者数
■災害による報告死者数■

1月12日ハイチで大きな地震がありました。その影響は、現在でも大きな社会問題ともなっていますが、初期の段階で大統領が20万人の犠牲者が出ていると宣言しました。

2005年8月末のハリケーン・カトリーナ災害のときは、最初1万人との報道がなされましたが、最終的に1千3百人ぐらいになりました。死者が少ないのに越したことはありませんが、日本と比べてお国柄がこのようなところにもでるのかと感じます。

日本の場合で典型的な事例は、阪神・淡路大震災の時です。当時筆者は京都に住んでおり、京都市内で働いておりましたが、大きなゆれのあと、朝7時ごろは、死者の数がまだ数人だったとTVなどで報道されていたのを覚えています。それが時間が経つにつれて、数百人、数千人と時間が経つごとに増えていきました。

アメリカは、トップダウンで戦略的、日本は、ボトムアップで正確さ重視、そんな感じがします。2004年のインド洋津波では、周辺諸国の報告死者数が上下していましたが、この点をとっただけでも、災害がその国の経済や社会状況を浮き彫りにする一端が見えてきます。

ハイチに関しては時を追うごとに報告死者数が増えておりその状況が心配されます。初期の段階の大統領の宣言どおりの数字にならないことを祈ります。

2010年2月4日発行

P.S.

例えば下記のワールドビジョンのHPでは、現在の推定死者を、250,000人としています。つまり、最初の報告は最終的には、ある意味的を得ていたことになってしまいました。

https://www.worldvision.org/disaster-relief-news-stories/2010-haiti-earthquake-facts