Day_46 : 松代群発地震(Matsushiro Earthquake)[Japanese]

熊本地震は、松代群発地震を想起させます。以下かつて書いたコラムを転載致します。

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長野県の松代に松代地震センターという組織があります。松代地震センターは、1967年2月に、長野県松代町(現在長野市)の気象庁地震観測所内に設立されました。この設立の背景は、1965年8月3日の無感地震から1966年4月17日までに、震度5と4を各3回、有感、無感を含む合計6780回の群発地震が観測されるなど激しい地震活動が大きな社会問題となったことによります。

当時の中村町長が「物・金より学問・研究がほしい」といってセンターを設立のきっかけを作ったことでも有名であり、また、その立地がもと大本営のあった場所であることも知る人ぞ知るといった感じです。またこの地震の観測によって得られた経験は、今日の地震予知と災害対策の進展に大きく影響を与えたことでも知られています。

筆者は、自然災害情報室として気象庁精密地震観測室(松代地震観測所)のご協力のもとで、当時の談話会の記録を整理をしていますが、松代地震後の生まれの筆者にとっても、とても興味深い記録ばかりで驚いています。松代が街全体で地震を契機としてして災害に強いまちづくりにしていこうと力をあわせていることが生き生きと伝わってきます。例えば、地震そのものの研究に限らず近くの学校の生徒を対象とした群発地震による健康状態の調査などありました。これは、松代の保健所及び病院の協力によるもので地震が生徒の精神的、身体的にどのような影響があるかという報告でした。それに留まりません。地震を原因とした地すべり調査や地震時の水道施設に及ぼす影響など、当時の様々な分野の第一線で活躍するメンバーが様々な視点から報告しています。
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転載元参考URLです。
http://researchmap.jp/read0139271/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/